猫をなでているときや、ひざの上でくつろいでいるときに聞こえる「ゴロゴロ」という音。子どもにとってはとても不思議で、「ねこはどうしてゴロゴロいうの?」と聞きたくなる音ですよね。
この記事では、猫がゴロゴロと鳴らす理由について現在わかっていることを保護者向けにまとめ、年齢別の伝え方、猫の気持ちを観察する遊び、動物への興味を育てるコツを紹介します。
猫がゴロゴロいう本当の理由
猫のゴロゴロという音は、のどの奥にある「喉頭(こうとう)」という部分の筋肉がとても速く震えることで生まれると考えられています。息を吸うときにも吐くときにも音が続くため、途切れずに「ゴロゴロゴロ……」と聞こえるのが特徴です。
ゴロゴロは、多くの場合、猫がリラックスして安心しているときのサインです。なでられているときや、好きな人のそばでくつろいでいるときによく聞かれます。生まれて間もない子猫も、お乳を飲みながらゴロゴロと鳴らし、母猫とのやりとりに使っていると考えられています。
ただし、ゴロゴロはいつも「うれしい」という意味だけではありません。体の具合が悪いときや、緊張やストレスを感じているときにも鳴らすことがあると知られています。そのため、音だけで判断せず、表情や耳、しっぽ、体の動きなど、全体の様子をあわせて見ることが大切です。いつもと違う様子が続くときは、動物病院に相談しましょう。
年齢別の伝え方
子どもに伝えるときは、「ゴロゴロはたいてい安心のサイン」ということを基本にしつつ、年齢が上がるにつれて「いつもそうとは限らない」という一歩進んだ見方も伝えていきましょう。
- 3〜4歳:「ねこさんは、安心してうれしいときにゴロゴロってのどを鳴らすんだよ。きみのことが好き、っていうお返事かもしれないね」と、やさしい気持ちと結びつけて伝えましょう。
- 5〜6歳:「のどの中の筋肉がぶるぶるっと速く動いて、ゴロゴロって音が出るんだよ。赤ちゃんの猫も、お母さん猫にゴロゴロでお話ししているんだって」と、音の出るしくみを少し加えます。
- 7〜8歳:「ゴロゴロはたいてい安心のサインだけど、具合が悪いときや緊張しているときにも鳴らすことがあるんだ。だから耳やしっぽ、目の様子もいっしょに見てあげることが大切なんだよ」と、観察する視点を伝えてみましょう。
おうちで一緒にやってみよう:猫の気持ち探偵ごっこ
猫を飼っていなくても、絵本や写真、近所の猫を遠くから見ることで楽しめる観察遊びです。体のどこにどんな気持ちが表れるのか、探偵になったつもりで探してみましょう。
- 準備するもの:紙と鉛筆、猫の写真や絵本(飼っている場合はおうちの猫)
- 手順1:紙に「耳」「目」「しっぽ」「声」の4つの欄を作ります。
- 手順2:猫を見て、耳はピンと立っているか横に倒れているか、目は細めているか大きく開いているか、しっぽはどんな形かを記録します。
- 手順3:「このときの猫はどんな気持ちだと思う?」と、親子で予想を話し合います。
- 手順4:図鑑や本で答え合わせをして、当たっていたところに丸をつけます。
- 注意:知らない猫や外で暮らす猫には触らないようにしましょう。飼い猫でも、嫌がっているときはそっとしておくことを約束にしましょう。
よくある誤解
「ゴロゴロ言っているから、いつでも喜んでいる」と思いがちですが、先ほど触れたように、ゴロゴロは体調が悪いときや不安なときにも聞かれることがあります。また、なでられて気持ちよさそうにしていた猫が、急にしっぽを大きくバタバタ振ったり、耳を後ろに倒したりしたら、「もう十分だよ」という合図かもしれません。
子どもには、「猫がゴロゴロしていても、しっぽや耳が『もうおしまい』と言っていたら、なでるのをやめようね」と伝えておくと安心です。相手の気持ちを体のサインから読み取る練習は、動物との関わりだけでなく、人との関わりにもつながっていきます。
好奇心を育てるコツ
動物に関する質問は、「ねこはどうしてはこがすきなの?」「いぬはどうしてしっぽをふるの?」と、ほかの動物へも広がりやすいテーマです。ひとつの答えから「じゃあ犬は?」「うさぎは?」と比べていくと、動物によって気持ちの伝え方が違うことに気づけます。
大人にもはっきりわからない質問が出てきたら、「なんでだろうね、一緒に調べてみよう」と返して、図鑑を開いたり、動物園の飼育員さんに聞いてみたりするのもすてきな経験です。動物の行動には、研究者の間でもまだはっきりわかっていないことがあります。「まだ研究中なんだって」と伝えることも、科学の面白さを知るきっかけになります。
猫と過ごせる機会があれば、静かにそばに座って、ゴロゴロの音を一緒に聞いてみてください。猫が嫌がらなければ、体にそっと手を添えると小さな振動を感じられることもあります。
次に聞かれる質問
ねこはどうしてはこがすきなの?
猫は、せまくてかこまれた場所にいると安心できるんだよ。箱の中はまわりから見えにくくて、あたたかいから、ほっとできるんだ。だから、ちょうどいい箱を見つけると入りたくなるんだね。
ねこのひげはなんのため?
猫のひげは、まわりのものを感じるセンサーなんだよ。せまいところを通れるかどうか、ひげで幅をはかっているんだって。だから、猫のひげは切ったり引っぱったりしないでね。
いぬはどうしてしっぽをふるの?
犬は、しっぽで気持ちを伝えているんだよ。うれしいときに振ることが多いけど、緊張しているときやドキドキしているときに振ることもあるんだ。だから、しっぽだけじゃなくて、顔や体の様子もいっしょに見てあげようね。
