恐竜の図鑑やアニメが大好きな子どもから、「きょうりゅうはどうしていなくなったの?」と聞かれることはよくあります。大きくて強そうな恐竜がなぜいなくなってしまったのか、子どもにとってはとても不思議で、少しさみしい疑問なのかもしれません。
ここでは、恐竜がいなくなった理由について現在わかっていることを保護者向けに整理し、子どもの年齢に合わせた話し方や、おうちで楽しめる遊びを紹介します。
恐竜がいなくなった本当の理由
恐竜は約2億3千万年前ごろに現れ、長いあいだ地球のさまざまな場所で暮らしていました。しかし約6600万年前、鳥以外の恐竜は姿を消してしまいます。このとき恐竜だけでなく、海や陸の多くの生き物がいなくなりました。これを「大量絶滅」と呼びます。
原因として最も有力なのが、巨大な小惑星の衝突です。直径およそ10km前後と考えられる小惑星が、現在のメキシコ・ユカタン半島付近に落ち、「チクシュルーブ・クレーター」と呼ばれる大きな跡を残しました。衝突によって大量のちりやガスが空に巻き上げられ、太陽の光がさえぎられて気温が下がり、植物が育ちにくくなったと考えられています。植物が減れば、それを食べる草食恐竜が減り、さらに草食恐竜を食べる肉食恐竜も生きられなくなっていきました。
また、同じころに起きていた大規模な火山活動も、気候を大きく変えた要因のひとつとして研究されています。現在は、小惑星の衝突を中心に、火山活動などによる環境の変化が重なったという見方が有力です。
そして大切なのが、「恐竜はすべていなくなったわけではない」という点です。鳥は恐竜の仲間から進化した生き物で、多くの研究者は「鳥は生きている恐竜」と考えています。庭に来るスズメやハトも、恐竜の子孫なのです。
年齢別の伝え方
絶滅の話は、子どもによっては「こわい」「かわいそう」と感じることもあります。事実を伝えつつ、「鳥になって今も生きている」という前向きな面もあわせて話すと、安心して受け止めやすくなります。
- 3〜4歳:「ずっとずっと昔、お空から大きな石が落ちてきて、お天気がすっかり変わっちゃったんだって。でもね、鳥さんは恐竜の仲間なんだよ」と短く伝え、最後は身近な鳥につなげましょう。
- 5〜6歳:「大きな石が落ちて、空がちりで暗くなったんだ。おひさまが届かないと寒くなって、草が育たなくなって、恐竜のごはんがなくなっちゃったんだよ」と、順番に起きたことをお話のように伝えます。
- 7〜8歳:「約6600万年前、メキシコのあたりに小惑星がぶつかったと考えられているよ。火山の噴火も重なって、気候が大きく変わったんだ」と、数字や地名を出すと、地図や図鑑で確かめる楽しみが生まれます。
おうちで一緒にやってみよう:鳥と恐竜の足あと比べ
「鳥は恐竜の仲間」ということを体感できる遊びです。公園やベランダで鳥を観察したり、紙に足あとを描いたりして、恐竜とのつながりを探してみましょう。
- 準備するもの:紙、鉛筆やクレヨン、恐竜の図鑑や絵本(あれば)
- 手順1:公園や窓から鳥を見て、足の指が何本あるか、どんな形かを観察します。ハトやスズメは、前に3本の指が広がっています。
- 手順2:図鑑で、ティラノサウルスなど二本足で歩く肉食恐竜の足や足あとを探して見比べます。
- 手順3:紙に「鳥の足あと」と「恐竜の足あと」を描いて並べ、似ているところを話し合います。
- 手順4:「羽」「卵」「骨のつくり」など、鳥と恐竜の共通点を一緒に探してみましょう。羽毛を持つ恐竜がいたこともわかっています。
- 注意:野鳥には触らず、遠くから静かに観察しましょう。
よくある誤解
「恐竜と昔の人間が一緒に暮らしていた」というイメージは、映画やアニメでよく見かけますが、実際には鳥以外の恐竜が絶滅してから人類が現れるまでには、数千万年もの時間があります。
また、プテラノドンのような空を飛ぶ「翼竜」や、海にいた「首長竜」は恐竜と一緒に紹介されることが多いものの、厳密には恐竜とは別のグループの爬虫類です。子どもが図鑑でその違いに気づいたら、「よく見つけたね」とほめてあげたいポイントです。
好奇心を育てるコツ
恐竜好きの子どもは、名前や大きさ、食べ物について驚くほど詳しくなることがあります。大人が知らないことを子どもが教えてくれたら、「すごいね、教えてくれてありがとう」と、教える側に立つ喜びを味わわせてあげましょう。
「なんで?」が続いて答えに詰まったときは、「それはママ(パパ)もまだ知らないな。一緒に調べてみよう」で大丈夫です。恐竜の研究は今も新しい発見が続いている分野なので、「科学者にもまだわからないことがあるんだよ」と伝えるのも、学ぶことの面白さを知るよい機会になります。
博物館や科学館の化石展示に出かけるのもおすすめです。本物の骨の大きさを目の前にすると、図鑑とはまた違った驚きが生まれます。
次に聞かれる質問
いちばんおおきいきょうりゅうは?
いちばん大きいのは、首としっぽがとっても長い草食恐竜のなかまだよ。アルゼンチノサウルスという恐竜は、バスを何台か並べたくらいの長さがあったと考えられているんだ。骨が少ししか見つかっていないから、本当の大きさはまだ研究中なんだよ。
とりはほんとうにきょうりゅうなの?
うん、鳥は恐竜のなかまから生まれた生き物なんだよ。恐竜にも羽があったものがいて、足の形や骨のつくりもよく似ているんだ。だから、スズメやハトは「今も生きている恐竜」なんだね。
きょうりゅうはなにをたべたの?
草や木の葉っぱを食べる恐竜と、ほかの動物を食べる恐竜がいたんだよ。首の長い恐竜は高い木の葉っぱを食べて、ティラノサウルスはほかの恐竜を食べていたんだ。歯の形を見ると、何を食べていたかがわかるんだよ。
